『生き方』を読んで

 

ご無沙汰してました。

稲盛和夫さんの『生き方』を読みました。

 

今のからだは借り物。

”穴吹美緒”という存在があるんじゃなくて、

”存在”が穴吹美緒を演じている。

石も、魚も、友達も、道行く人もすべて同じ”存在”がそれぞれを演じている。

そう思うと、生きとし生けるもの、全部にやさしくありたいって自然と思う。

だから、私の実績も、たまたま私にチャンスがあってしただけで、同じ機会を持った誰かが成し遂げた可能性も十二分にある。

それによって得たお金や、名声、地位は、世の中にきちんとお返ししていかなくちゃいけないんだろうな。

 

何のために生きるのか―。

それは、生まれた時よりも、ほんの少しでも

良い「魂」となるため。そのために私たちは生きているんだと。

”存在”としてある自分が、演じるのを終わるとき(死ぬとき)、

結局残るものは、”魂”。

 

この世に生まれたとき、きっと真っ白(まっさら)だった。

死ぬときは・・・そうだな、深みのある、それでいて美しく澄んだ”魂”でありたい。

 

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苦しみや失敗は、魂にこびりついた「業」を除去するためのものなんだって。

そう思うと、喜ばしいことだよな。しっかり真正面からぶつかって、乗り越えたい。

 

 

読んでいて「駐車場とおじさん」のはなしを思い出しました。

 

 

 

「人であふれた駐車場」
100mほど離れたところに駐車場があり、 そこにいつも車を停めていました。
その駐車場には、 いつでも元気で明るい、 60歳を過ぎたばかりの管理人のおじさんが働いていました。年齢に似合わずシャキシャキとした行動で、 手際よく仕事をこなします。毎日のように顔を合わせていましたが...、 いつもおじさんは明るい笑顔で挨拶をしてくれました。 「おはようございます! 今日も天気で、いい一日ですね!」以前は大手企業で働いていたそうです。 その会社を定年になって退社し、 家が近くにあるというだけの理由で、 駐車場の管理人の仕事を始めたということでした。
ある朝、急に雨が降ってきました。 その時、傘を忘れたことに気がつきました。駐車場について、 車から出ることもできずに、 どうしたものかと考えていたところに、 管理人のおじさんが走りよってきました。 「傘、忘れたんじゃない? ちょうど、今降り出したばかりだから。 これ、持っていきなよ」といって、 自分の持っている傘を差しだしてくれたのです。「でも、これっておじさんの傘じゃないの?」 「私のことを気にすることはありませんよ。とにかく持っていってください」自分の傘をお客さんに渡して、 自分は濡れて帰ってもいい。普通はなかなかそんな風に考えることはできないと思います。管理人のおじさんは、 いつもこんな調子で自分のことよりも お客さんのことばかり考えてくれるような人でした。その駐車場はいつも満車の状態でした。
他の管理人さんは、 満車になると小さな管理人室で本を読んだりしていましたが、 そのおじさんは、 駐車場の前に立って、申し訳なさそうに、「満車です、申し訳ありません」と深々と頭を下げて謝っているのです。中には、 苦言を呈する人もいます。 でも、 必ずその車が見えなくなるまで、 深々と頭を下げ続けていました。
「何も、あそこまでしなくてもいいのに・・・」と思っていました
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そんなある日、 いつものように車を停めようとしたとき、 いつもの違う表情でおじさんはやってきました。「実は、今週いっぱいで仕事をやめることにしました。  妻が、肺を患っていて、空気のきれいなところでのんびり暮らすことに したんですよ。  いろいろお世話になりました・・・」お世話になったのはこっちのほうですよ、 と何ともいえぬ寂しさを覚えました。今日が最後という日、 ちょっとした感謝の気持ちで、 おじさんにてみやげを持っていくことにしました。 そして、 駐車場に着いたとき、 信じられないような光景を目にしたのです。 小さなプレハブの管理人室には、 色とりどりの花束がいっぱいに積上げられていて、 中がまったく見えません。 さらに、 管理人室の横には、 置ききれなくなったプレゼントがたくさん積み重ねられています。 それは2列にもなって。 駐車場は、 たくさんの人でごった返し、 感謝の声が聴こえてきます。「いつも傘を貸してくれてありがとう」 「あのとき、重い荷物を運んでくれて助かりました」 「おじさんに、挨拶の大切さを教えていただきました」次々と写真を撮り、 握手をして、感謝の言葉を告げています。 最後の列にならんでおじさんと話す機会を持ちました。 「おじさんには感謝しています。  おかげで、  毎日気持ちよく仕事を始めることが出来ました。 いなくなってしまうなんて残念です・・・」 「いいえ、私は何もしていませんよ。  私にできることは、  挨拶することと謝ることくらいですから。  でも、  いつも自分がやっている仕事を楽しみたい、  そう思っているだけなんです」仕事が面白いかどうかを、 その仕事の内容に期待すると裏切られてしまうでしょう。 面白い仕事もつまらない仕事もないからです。つまらない仕事なんてない。仕事に関わる人の姿勢が仕事を面白くしたり、 つまらなくしてるに過ぎない。 仕事の最後の日、 自分がこれまでどのように仕事に関わってきたかをまわりの人が教えてくれます。 その時に得られる最高のもの、 それは人と人とのつながりの中でうまれる感動です。
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この管理人のおじさんは、思いやりの心で人と接していたんですね。 だから、仕事を辞める時にこれだけたくさんの人から感謝されたんだと思います。 どんな仕事であれ関わり方で変わってくるんですね。 人間関係が薄れつつある今日この頃ですが、心で人と接する大切さを学ばせて頂きました。(筆者)
 

 

「ど」がつくほど毎日を真剣に生きる。

奢らず謙虚に、人のために生きる。

感謝し、反省する。・・・

仏さまの教えにそったたくさんの"道しるべ”を大切にしたい。

 
 
「なんまんぶありがとう」
「神さまごめんなさい」
 
そんな言葉をつぶやきながら、誰かのために生きる人生を生きたい。
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だって私も、みんな、そんな世界に生きたいはずだから。
 
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